Adobe AIRとMicrosoft SilverLightは何であるか

概要

日本印刷技術協会のPAGE2008で行われたコンファレンス「インターネットの表現力の飛躍」のメモ。
Adobe AirMicrosoft Silverlightは、何であるか、何ができるのか。また、どのように展開するのか。というお話。
モデレータに株式会社デジタルアドバンテージ小川さん。スピーカーにアドビの西山さん、MSの春日井さん。コメンター?にWebサイトやサーバー構築を行う会社(社名をメモし忘れました)の谷口さん。
会場の出席者は、開発側と発注側が半数ずつで、開発者三分の一、管理系の方が三分の二、イントラ系の業務アプリより、Web・EC系に興味を持つ人たち。
長くなったので2・3回に分けて書きます。

AirSilverlightは対立するものではない

良く勘違いされることだが、AIRとSilverligthは直接対抗するものではない。

Webアプリ ローカルアプリ
Flash AIR
Silverlight .NET

Adobe AIRについて

デスクトップアプリのランタイム

Win/Mac(今のところ)のデスクトップアプリケーションを、Web標準技術で開発して、配布するためのランタイム。
Webアプリケーションを、ブラウザの制約から解き放って、より高機能で使いやすくデスクトップで実現する。
Aodbe社内でも業務用名簿ソフトが作られているらしい。

AIRの中身について

Browser(Webkit: Safariのエンジン) + FlashPlayer9 + Adobe Reader8.1
これらにAIR APIを加えたもの。開発言語と技術については、
JavaScript(Webkit) + ActionScript3 + JavaScript(Acrobat)
ということ。
なので、WinでもMacでもAIRのブラウザはWebkitAIRの一部だから)。
つまり、LinuxWebkitが動くようになれば、LinuxAIRも?(これは私のメモ)
ちなみに、LinuxAIRはちゃんと開発中らしいです。また、将来的にはmobile版も視野に入ってるとのこと。

特徴:ユーザーインターフェース
  • FlashPlaye6r65以降で対応のExpress Install機能が利用可能

FlashPlayerだけでなくAIRAIRアプリケーションにも対応する。AIR自身のインストールも必要に応じて行われる。

  • Flash譲りのインターフェース
  • ドラッグ&ドロップに対応
  • ローカルデータの編集
  • ブラウザを経由せずにデータのアップロード
特徴:技術
  • FLV/MP3/H.264などのメディアサポート
  • バイナリファイルの読み書き
  • SQLite(ローカルデータベース)*1
  • 高速なActionScript3(2の10倍!?)
  • ブラウザ(Webkit)そのものを内蔵
  • JavaScirptガイドブックがCCで提供されている*2
開発

将来的にはAdobe Flash Professional CS3, Adobe Dreamweaver CS3から直接AIRインストーラを吐き出せるようになる予定*3
つまり、Webデザイナ、デベロッパAIR開発者になれる
AIRは、Webプログラマにデスクトップアプリ開発へのドアを開く。
もう少しいうとフォトショ、イラレ使いもAIRでデスクトップアプリ開発ができるようになる、かも。(製品間の連携の統合とかで)

*1:同じくSQLite使用のGoogle Gearsと論理的にはAPIが整合する(予定)

*2:Adobe(r) Intergrated Runtime (AIR) for JavaScript Developers(邦訳版http://gizmo.anthill.jp/fgug/modules/bwiki

*3:今はbeta版のExtensionがある